「熱あんの?」
嗚呼、もう、気付いてくれたってだけで舞い上がって喜んでしまうあたしは相当チョロいのかもしれない。
「朝はちょっと熱っぽかったんだけどね、今は体が怠いくらいで元気だよ」
「⋯だから音信不通だったわけか」
「うん⋯ごめんね」
「いや、いーけど。今は本当に大丈夫なの?」
「うんっ、だいじょうぶ、だいじょうぶ!」
その時、開けっ放しだった玄関のドアからピュウッと風が入り込んだ。
「ごめん薫くん!寒いよね、上がって」
薫くんを玄関で立ちっぱにさせるなんて、気の利かない奴だなぁと自分に反省しながら中に入るように促す。
「柑奈こそちゃんと温かくしなよ」
そう言いながら靴を脱ごうとした薫くんの動きが止まる。
どうしたんだろう?とその視線の先を辿れば、そこには趣里と陸斗のローファーが綺麗に並んでいた。



