「も、もしもしっ!?」
『柑奈今どこいんの?』
電話の向こうから聞こえる薫くんの声は思ったより怒っていなくて、若干拍子抜けする。
だって、あんだけ連絡無視していたら薫くんは怒ると思ったから。まぁ、故意的に無視していたわけではないんだけれど。
『朝から全然連絡つかないんだけど。何かあった?』
「あ、や⋯えっと⋯」
『なに?』
「あの、ね⋯?」
風邪を引いて寝てました。と正直に言っていいものかどうか、何故かわからないけど悩む。
「あの、薫くんっ⋯」
『今家にいんの?』
「へ⋯⋯」
『放課後になっても連絡つかないから、柑奈の家に向かってるんだけど』
突然落とされた爆弾に、風邪とか熱とかすっかり忘れて大きな声が出た。
「え、えええ!?」
そんなあたしに、「うっさ」という薫くんの声が聞こえたけれどそれを今気にしている場合ではない。



