ハニーシガレット 【完】





言われた言葉の意味がわからなくて彼女を見つめていれば、恐らく初音さんであろう彼女は「ふぅ」と軽くため息を吐いた。



「従業員へのしつこい誘いや連絡先の交換などの強要はうちでは禁止なんですよ」



厳しい表情であたしの方を見る初音さんにカッと顔が熱くなる。



初音さんは、あたしが薫くんに言い寄っていると思ったんだ。

あたしが薫くんにしつこく迫っていると⋯。


その事に気付いてみるみる赤くなっていく顔。


彼女と見られていない事が、そしてそこまで薫くんが迷惑そうだった事が悲しくて恥ずかしかった。


そして薫くんはよくこういう事があるのだと、心配にも。