ハニーシガレット 【完】





パッ、と薫くんの後ろに視線を移せば、高い位置でポニーテールをした小柄な女性がこっちに向かって来ていた。


「なに薫、またトラブル?」

「違う」

「じゃあ何よ?」


その女性が薫くんの隣に並び、あたしの方に目を向けた。
クリクリとした瞳が二度、瞬きをする。


「お客さん、すみませんけどそういうのはナシでお願いしますね」


そして困った様に眉を下げた彼女にそう言われて、「はい⋯?」と今度はあたしが目を瞬かせた。