「柑柰、いい加減に⋯、」 「ぜーったい帰らないっ!」 ふん、と薫くんから顔を逸らして抗議の意志を示せば「はぁ、」と深いため息が聞こえた。 なんだよ、そんなに嫌がらなくてもいいじゃんか。 ⋯なんでそんなに嫌がるの。 何だか悲しくなって、悔しくなって、じわりと目に熱いものが込み上げた。 その時─────、 「かおるー?どうしたの?」 薫くんの後ろから、電話で聞いたあの声が聞こえた。