「あー、えっと、たまたま!たまたま寄ったお店がここで⋯薫くんがたまたまいて、えっとー⋯、凄いねぇ偶然って!」
あくまでたまたまですよーって事をアピールしてみたけどもちろん薫くんがこんな嘘に騙されるわけも、付き合ってくれるはずもなく。
「帰って、今すぐ」
くい、と顎で出入口の方を指した薫くんにちょっぴり心が痛くなった。
そんな嫌がらなくてもいいじゃん。
べつに、帰ってって言わなくてもいいじゃん。
ジュース1杯くらい飲んだっていいじゃん。
そもそもここに来た目的を思い出し、薫くんに反抗する様にメニューを見て「焼き鳥とカルピスください」と言えば薫くんの頬がぴく、と引き攣った。



