「別れるわけないじゃん」
あたしの口から出た声は思ったよりも低くなってしまった。
しかし陸斗も陸斗で、まだ本気なのか冗談なのかわからない表情をしてあたしを見つめている。
「何で?浮気疑うくらい不安なら別れろよ」
「あのねぇ、浮気を疑ってるんじゃないの。それに不安なのは薫くんの愛に対してで⋯、他の女の人への不安はその付属みたいなもんなの」
「意味わかんねぇ」
「そりゃ2年彼女いない人にはわかんないよ」
陸斗の真っ直ぐな瞳が怖くて、逃げるようにわざと嫌味を零せばやっと、陸斗の表情が和らいだ。
「バカにしてんのかテメェ」
「そんな事ありません」
「笑ってんじゃねぇよ」
ゴン、と軽くあたしの机を蹴っ飛ばした陸斗は、クラスのムードメーカーで。
見た目だってきっとイケメンの部類に入るだろうし話しやすいし、意外と優しいところもあってモテるのに何故か2年も彼女がいない。



