「薫くん⋯、」
甘えるように、薫くんを見上げればテレビ画面から視線を移した薫くんの瞳があたしを捉えた。テレビからは夕方のニュースが流れてくる。
「なに、柑奈」
「⋯薫くん⋯」
「だから、何?」
パチ、と瞬きをした薫くんにモヤモヤともウズウズともする。
あたし、不安なんだよって言いたくなる。
初音って誰って。
四六時中、あたしの事だけ考えていてよって。
そんな我儘なことを言ってしまいそうになる。
あたしと同じ分だけ、それ以上に好きでいてよって叫びたくなる。
「⋯キス、したい」
だけど弱虫なあたしはそんな事口が裂けても言えないから。
あたしの方が好きだなって自覚があるから、傷つきたくないから落ち込みたくないから、そんな事言えないから。少しでも薫くんの愛を確かめたくて。
「キス?」
「うん⋯」
「⋯」
「キスして欲しいのっ⋯」
薫くんの服をぎゅっと掴んで、薫くんの目を見ずに叫んだ。



