“ただの”可愛い彼氏

「味どうする?」



注文する前に,純に尋ねる。



「じゃあせーので言おうよ」



純はいたずらに笑って私に言った。



「「じゃあ,せーのっ」」



口を揃えた掛け声。



「あんこ!」 「くりーむ!」



答えは揃わなかった。

あんこと言ったのが私。

反対にクリームと言ったのが純。



「あの,あんことカスタード一つづつお願いします」



会計は,純がしてくれた。

高くないし面倒になるからと。

甘えすぎると長続きしないとも思うけど,純の気持ちが嬉しくて素直に受け取った。

代わりに帰りに自販機でジュース買ってあげよう。

そんな計画を密かにして。



「人,多いよね。食べずらいし,移動しよっか」



純1人なら食べ歩きなんて気にしないくせして,そんなことを言う。

現にさっきもタコ焼き食べてたし。

バレバレで不器用な優しさにまたきゅんとする。