いつも冷静なその裏で、大人しくて落ち着いていて、言葉数が極端に少ないその裏で、神崎は俺よりも悩んで、苦しんで、一人で抱えて。真面目に、真剣に、問題と向き合って。だからこそ、今、ぐらぐらと揺れている。崩れそうになっている。俺のことを想って、儚く、脆く、壊れそうになっているのだとしたら、苦しさや悲しさよりも、どうしようもない愛おしさが込み上げるのだった。
息が震えて。声が震えて。手が震えて。体が震えて。脆弱で繊細な神崎を両手で支えながら、ずっと冷たいままの俺に縋る彼の黒髪に指を絡ませながら、俺は。神崎を。喉の奥に引っ掛かっている言葉で。何度も飲み込んだ言葉で。自らの言葉で。俺の声で。俺の声帯で。込み上げて、込み上げる、重い愛で。重い鎖で。残酷に。凄惨に。でも。丁寧に。慎重に。彼の心を。縛った。きつく。きつく。解けないように。きつく。縛りつけた。
「……好きだ、神崎」
切なく零した、吐き出した好きに、心臓が囂しいほどに鳴り響く。言えなかった、好き。言いたかった、好き。ずっと、ずっと。好きで、好きで。神崎のことが好きで。好きで。高校を卒業してからも、ずっと、忘れられなかった。俺の心の中には、いつだって神崎がいた。
息が震えて。声が震えて。手が震えて。体が震えて。脆弱で繊細な神崎を両手で支えながら、ずっと冷たいままの俺に縋る彼の黒髪に指を絡ませながら、俺は。神崎を。喉の奥に引っ掛かっている言葉で。何度も飲み込んだ言葉で。自らの言葉で。俺の声で。俺の声帯で。込み上げて、込み上げる、重い愛で。重い鎖で。残酷に。凄惨に。でも。丁寧に。慎重に。彼の心を。縛った。きつく。きつく。解けないように。きつく。縛りつけた。
「……好きだ、神崎」
切なく零した、吐き出した好きに、心臓が囂しいほどに鳴り響く。言えなかった、好き。言いたかった、好き。ずっと、ずっと。好きで、好きで。神崎のことが好きで。好きで。高校を卒業してからも、ずっと、忘れられなかった。俺の心の中には、いつだって神崎がいた。



