握られた手に神崎の熱が伝わる。冷たくても触れてくれる神崎のその手を、まだ小刻みに震えている、俺とさして変わらない大きさでも、俺よりも随分と繊細なその手を、壊れないよう優しく、強く、握り返しながら、俺は彼の首筋に視線を落とした。言わなかった。許可は取らなかった。印をつけたいとも、キスをしたいとも、何も、言わなかった。それでも、俺が口にしなくても、瞳を濡らした神崎は悟ったように急所を晒してくれて。俺からのキスを許した。拒まなかった。
指先で触れていた、微かな脈動を感じる箇所に息を落とす。見様見真似で、慣れない動作で、ぎこちなく首筋を噛む俺の髪を寄り添うように優しく撫でてくれる神崎の手に、切なさを覚えながらも確かな安心感に包まれた。自然と蕩けて、吐息を漏らして、濡らして、跡を、つける。
なんとなく、今日が俺の最期のような気がしている。言わなければ、明日も明後日も明明後日も、神崎と連絡を取ることはできるだろうが、言わずに閉じ込めておく方が苦しいことを知ってしまったから。好きだと伝えて、後悔なく死んでしまった方が幸せだと思わずにはいられなかった。いつか確実に死を迎えるのなら、最愛の人の好きを聞いて、心安らかに死んでしまいたい。後悔だけは、したくない。
指先で触れていた、微かな脈動を感じる箇所に息を落とす。見様見真似で、慣れない動作で、ぎこちなく首筋を噛む俺の髪を寄り添うように優しく撫でてくれる神崎の手に、切なさを覚えながらも確かな安心感に包まれた。自然と蕩けて、吐息を漏らして、濡らして、跡を、つける。
なんとなく、今日が俺の最期のような気がしている。言わなければ、明日も明後日も明明後日も、神崎と連絡を取ることはできるだろうが、言わずに閉じ込めておく方が苦しいことを知ってしまったから。好きだと伝えて、後悔なく死んでしまった方が幸せだと思わずにはいられなかった。いつか確実に死を迎えるのなら、最愛の人の好きを聞いて、心安らかに死んでしまいたい。後悔だけは、したくない。



