脳が蕩けそうなほどの甘すぎるキスに興奮度が上昇する中、どさくさに紛れるようにして神崎の手が服の中に滑り込んだ。肌を愛撫するその指先にすら敏感に反応し、意図せず吐息が漏れる。理性を失っている俺は、沈むベッドの上で高鳴る鼓動を抱えながら、その先を促すように彼の背中に手を回して昂った気持ちを煽った。どうせなら、もっと。もっと、して。何もかも忘れられるくらい。それこそ、全身を貫くような快楽に失神するくらい。もう、めちゃくちゃに。抱いて。ジュースにアイスを混ぜて、混ぜて、溶かして、溶かして。深く、甘く、融合させるように。抱いて。俺は神崎と一つになりたい。神崎が欲しい。神崎で気持ちよくなりたい。神崎と気持ちよくなりたい。神崎に気持ちよくなってもらいたい。だから。神崎。もっと。触って。冷え切ってても。触って。温めて。神崎。神崎。

「ん、あ、かんざ、き、かんざき……」

 キスの合間に縋るように名前を呼び、俺は訳も分からず半泣きになりながら必死に神崎を求めた。至近距離で俺を見下ろす神崎は、僅かに開いていた唇を引き結び、指を絡めていた手をギュッと握りながら俺の体に触れたその手を下半身へ向けてなぞるように滑らせる。脇腹、骨盤、太腿。分かっているくせに焦らすその手に、甘く、切なく、腰が揺れた。手を伸ばせば届く距離にある快楽に、我を忘れて、プライドを捨てて。俺は。まだ触れてくれない神崎に、服の下で累積的に膨れ上がっている欲を自ら押しつけ、善がるように身を捩った。