約束の場所に到着したのは、時間の約五分前だった。 けどすでに、ルイトさんはそこにいた。
「ルイトさん!」
「カルティナ姫!」
わたしを見つけたルイトさんは、わたしに向かって走ってくる。
「っ、ルイトさん……!?」
わたしの元にやってきたルイトさんは、わたしをそのまま抱きしめてくる。
「会いたかったです、カルティナ姫」
ルイトさんの優しく声に、なんだか安心感を覚えてしまう。
「……わたしも、です」
正直に言うと、わたしもルイトさんに会いたかった。 みんなに会いたかったけど、やっぱりデート相手のルイトさんに会いたかったんだと、こうやって会うと実感する気がする。
「あなたに本当に会いたくて、昨日は眠れませんでした」
「え、そうですか……?」
そう思ってくれていると知っただけで、なんだか恐れ多い気がする。
「はい。 そのくらい僕は、あなたに恋い焦がれている、ということですよ」
そう言ってルイトさんは、わたしの髪を撫でてくれる。
「……あ、ありがとうございます」
これは喜んでいいこと、なんだよね? わたしも、嬉しいなって思った。



