「喜んでもらえて良かったです」

「大切にしますね、カワウソくん」

「ありがとうございます。 では、気を付けてくださいね、カルティナ姫」
 
 わたしはカルナさんに見送られながら、自宅へと戻る。

「ただいま帰りました」

「おかえりなさいませ、姫様」

 家の門を開けると、マロミさんがわたしを出迎えてくれる。

「ただいま、マロミさん」

「今日のデートは、いかがでしたか?」

 マロミさんは植物にホースで水を掛けながら、そう聞いてくる。

「楽しかったよ、今日は動物園に行ったの」

「動物園ですか。楽しそうですね」

「すごく癒やされたわ。 たまにはいいわね、こういうのも」

 動物園なんてめったに行かないけど、たまに行くと本当に楽しい。
 大好きな動物たちをたくさん見られて、すごく良かった。孔雀もかっこよかったし、コグマも可愛いかった。

「可愛いらしいキーホルダーですね、姫様」

「あ、これ? カルナさんからのプレゼントなの。今日のお礼だって」

 カルナさんは本当に律儀な人なの。いつも何かをくれるし、優しい人なの。
 
「まあ、お優しいんですね。婚約者様は」