カルナさんも優しい人だから、わたしのことを褒めてくれるんだ。

「姫、姫は次何が見たいですか?」

「そうですね……。なら、順番に見ていきたいです」

「ではそうしましょう」

「はい」

 カルナさんとわたしは、園内をゆっくりと歩きながら動物たちを見たりした。

「見てください、カルナさん。孔雀がいますよ!」

「孔雀?」

 わたしがカルナさんの方を見ると、カルナさんは孔雀を見て不思議そうな顔をしていた。
 
「……もしかして、孔雀を知らないですか?」

 と問いかけてみると、カルナさんは「はい、見たことないですね。 僕のいるライナ王国には、孔雀という動物はいなかったので」と答えた。

「そうだったんですか」
 
「すごいですね、これが孔雀ですか。 なんか迫力ありますね」

「そうなんですよ。すごくカッコイイですよね!」

 カルナさんは孔雀を見てすごく好きになったのか、釘付けになっていた。
 わたしはそんなカルナさんの姿を見て、カルナさんの新たな一面を見た気がした。

 カルナさんは少年みたいな笑顔で笑っていて、そんなカルナさんのことを見て、少し親近感が湧いた。