「お父様、紅茶にミルクは入れるわよね?」

「ああ、入れてくれ」

「分かったわ」
 
 お父様は紅茶に、いつもミルクを入れるのが定番だ。砂糖は入れずにミルクだけというのが、お父様の飲み方。

「うん、美味いぞカルティナ!」

「本当に?良かった」

 お父様はあまり甘い物は食べないけど、チーズケーキが大好きなお父様は、食べてくれる。

「甘さもちょうどいいな。美味いぞ」

「良かった」

「このクッキー生地もいいな」

 お父様は相当美味しいのか、あっという間に完食してしまったようだ。

「ごちそうさま。 美味かったよ」

 お父様はフォークをお皿に乗せると、今度は紅茶を口にした。

「うん、これは美味い紅茶だな」

「そうでしょ?チーズケーキに合うような、ブレンドティーだそうよ」

 お父様は満足そうな顔をし、再び資料に目を通していた。

「お父様、まだ仕事するの?」

「ああ。もう少しだけな」

「無理をしたらダメよ。ほどほどにね」

「分かっているよ」

 お父様の食べ終えたお皿を片付けたわたしは、そのままお風呂に入りながら、今日のことを思い出していた。