「あっ、マロミさん。わたしマロミさんにね、お願いがあるの」

「お願い、ですか?」

「うん。食事会の当日にね、買ってきて欲しいものがあるの」

 わたしは当日、マロミさんに買ってきて欲しいものがあったので、買ってきてくれるように頼みこんだ。

「うん、あのねーーー」
  
「……なるほど、分かりました。当日それを人数分買っておけばいいのですね?」

「うん。お願いしてもいい?」

「もちろん、お安い御用です。カルティナ様の頼みですから」

 マロミさんは、わたしのお願いを快く引き受けたくれた。

「本当に?ありがとう、マロミさん!」

「気になさらないでください。婚約者様との大事な食事会ですから。 必要なものとあらば、しっかりとご用意させていただきます」

「本当にありがとう、マロミさん」

 マロミさんがいてくれて本当に良かった。

 当日はすごくわたし自身も、楽しみにしているの。
 普段はお父様と二人で食事をしているし、二人でも充分に美味しいけれど、やっぱりみんなで食べた方がもっと美味しく感じると思うから。

「ではわたしは食器の片付けが終わったら、帰ります」