アレンさんはわたしにだけでなく、お二人にも優しいのだと思った。
 言ってしまえば、お二人はライバルだと言うのに。

 その後はアレンさんと近くのビルにある雑貨屋さんやアクセサリーショップなどを見たりした。
 可愛いアクセサリーがあったのか、アレンさんはわたしに「これ、姫に似合いそうですね」と言ってくれた。

「え? そ、そうですか?」

「はい。とてもよく似合っています」

 と、アレンさんは笑ってくれた。

「姫は何でも似合いますよ。今度、姫のためにアクセサリーをプレゼントをしますね」

「い、いえ!そんな! だ、大丈夫です!」
 
 アレンさんからプレゼントをもらうなんて、申し訳ない。
 まだその、結婚するかどうかも分からないのに……。

「いえ。僕がしたいんです、姫のために」

「……アレン、さん」
 
 アレンさんは本当に優しい人だ。……アレンさんみたいに優しい人なら、モテるのは間違いないよね。
 
「なのでカルティナ姫」

「は、はいっ……?」

 アレンさんはわたしの右手を取ると、目の前でひざまずく。
 ーーーまるで映画に出てくる、ワンシーンみたいに。