愛おしい我が子の頬を撫でながら、わたしは幸せに浸っている。

「ルイトさん。わたし……今が一番幸せ」

「僕もだよ、カルティナ姫」

「わたし、この子のこと守りたい。……ずっとずっと、大切にしたい」

「うん。大切にしよう、ずっと」

 わたしはルイトさんのことも大切で、この子のことも大切。わたしとルイトさんは夫婦で、今宵家族になった。
 家族になったからこそ、ずっとこの幸せを守りたい。わたしが描いてきた未来は、こんなに素晴らしいものだったんだ。

「あ、起きちゃった……」

 起きてしまった我が子を、私はそっと抱き上げる。

「では天気もいいですし、少し公園へ散歩にでも出掛けましょうか」

「そうですね。行きましょう」

 ルイトさんと結婚してからは、毎日が楽しいと思える。何もかもが新鮮な気がして、本当に刺激的なことばかりだ。

「あ、笑ってる」

「本当だ。嬉しいんですかね?」

「そうですね」

 我が家に産まれた我が子の名前は【ハルカ】と名付けた。 遥か遠い未来を夢見たわたしたちだからこそ、力強く地に足を付けて真っ直ぐに進んでいけるようにと【ハルカ】と名付けた。

「ハルカのオムツ、帰りに買って帰りましょうか」

「はい」