二人のことをフッて、わたしはルイトさんと結婚することを決めたけど、これで良かったのかは分からない。
 でもわたしは、真剣に悩んで悩んで出した答えだから、後悔はしたくない。

「カルナさん、アレンさん、わたしを好きになってくれて……わたしを愛してくれて、本当にありがとうございました。 わたし、お二人からの愛が本当によく伝わって来ました。これだけ愛してもらって、別れを告げなければならないなんて……正直もどかしいです」

 わたしがそう言うと、カルナさんは「こちらこそ、僕はあなたの婚約者としていられたこと、幸せでした」と言ってくれた。

「カルナさん……」

 どうして優しいのだろう、そんなに。……別れを告げるって、こんなに残酷なんだな。

「カルティナ姫、俺もカルティナ姫と出会えて良かったと思ってる。あなたの婚約者の一人として、デートしたりお話したり、とても楽しかった。 カルティナ姫が俺の好きなミートパイを食べに連れてってくれた時は、本当にすごく嬉しかったから」

 アレンさんはわたしにそう言って、わたしに微笑みかけた。

「アレンさん……」
 
 アレンさんとの思い出も、わたしは絶対に忘れない。……忘れたくない。