【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜



「いただきます」

「どうぞ」

 ルイトさんが淹れてくれた紅茶に一口口を付けると、ラズベリーの甘酸っぱい香りがふわっと香った。

「ん、美味しい。 ラズベリー、ですか?」

「そうです、ラズベリーです。 よく分かりましたね?」

 美味しい紅茶だな。それに、クッキーもすごく美味しい……。

「お気に召していただけましたか?」

「はい。美味しいです」

 思わずリラックスしてしまいそうだ。

「カルティナ姫、僕たちにお話があるということでしたが……」

「あ……はい」

 どうしよう、なんか緊張してきた……。

「もしかして……もうお決めに、なられたのですか?」

 少しの沈黙の後、カルナさんがわたしに問いかけてきた。

「……はい。今日はそのことを伝えるために来ました」

 緊張はするけど、これはきちんと伝えないとならないことだから。……みんなのためにも、ちゃんと伝えないと。

「そうですか」

「ついに来たんだな、この日が」

「とうとう、来てしまいましたか……」

 ルイトさんとアレンさんも、緊張した様子でわたしに視線を向ける。

「……わたし、すごく悩みました。皆さん本当にいい人だから、最後まで悩みました」