「いただきます」
「どうぞ」
ルイトさんが淹れてくれた紅茶に一口口を付けると、ラズベリーの甘酸っぱい香りがふわっと香った。
「ん、美味しい。 ラズベリー、ですか?」
「そうです、ラズベリーです。 よく分かりましたね?」
美味しい紅茶だな。それに、クッキーもすごく美味しい……。
「お気に召していただけましたか?」
「はい。美味しいです」
思わずリラックスしてしまいそうだ。
「カルティナ姫、僕たちにお話があるということでしたが……」
「あ……はい」
どうしよう、なんか緊張してきた……。
「もしかして……もうお決めに、なられたのですか?」
少しの沈黙の後、カルナさんがわたしに問いかけてきた。
「……はい。今日はそのことを伝えるために来ました」
緊張はするけど、これはきちんと伝えないとならないことだから。……みんなのためにも、ちゃんと伝えないと。
「そうですか」
「ついに来たんだな、この日が」
「とうとう、来てしまいましたか……」
ルイトさんとアレンさんも、緊張した様子でわたしに視線を向ける。
「……わたし、すごく悩みました。皆さん本当にいい人だから、最後まで悩みました」



