そう言ったアレンさんは、わたしの手を握ると、手の甲にチュッとキスをした。

「……っ!」

 え、えっ……!?

「おい、アレン……!」

「おい、アレン!お前言ったそばからなんてことをするんだ……!」

 と慌てふためく二人をよそに、アレンさんは「僕は姫様への愛がたくさん溢れてますから、きっと僕を選んでくれると信じてますよ?」と言ってきた。

「へ……あ、アレンさん……!?」

 アレンさんからの愛の告白に、ドキマギしてしまうわたしをよそに、アレンさんはにこやかに微笑みを浮かべていた。

「カルティナ姫、僕たちは今日はここで失礼致します。 また明後日に伺いますので、どうぞ今日はゆっくりとお休みなさってくださいね」

「では失礼します。ゆっくりなさってくださいね、カルティナ姫」

「あ、ありがとう、ございます」

 婚約者だという三人の王子たちは、にこやかに微笑み帰っていった。



「……婚約者って、言われてもね」

 事故に遭い目を覚ましたばかりのわたしの前に、いきなり現れた三人の婚約者たち。
 そんな三人の婚約者たちと、わたしのドキドキな日々が今始まろうとしていたーーー。