【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


 
「ハーブティーには、心を休めてリラックスさせてくれる効果がありますから」

「リラックス?」

「ええ。 なんだか姫様は最近、少し気を張られているような気がしているので」

 マロミさんの表情はなんだか、わたしを心配している素振りを見せていた。

「そう……かな?」

「すみません。余計な心配、でしたかね」

 マロミさんからのその問いに、わたしは「ううん。心配してくれて、ありがとう」と返事をした。

「食べれる時は、食べてくださいね」

「ありがとう。 いただきます」

 わたしはクッキーを右手に取り、パクリと食べる。

「ん! 美味しい!」

 何このクッキー! 本当にお店に売られてるみたいな完璧な味がする。
 美味しい。美味しくて、手が止まらない。

「美味しいわ、マロミさん。マロミさんのクッキーは世界一美味しい」

「そうですか? ありがとうございます」

 マロミさんは嬉しそうに笑っている。

「このハーブティーも美味しいわ。クッキーに合うわ。さっぱりしてるわね」

「そうなんです。ハーブティーは意外と、クッキーに合うんです」

 さすがマロミさんだわ。