階段を駆け降りて気づいた。
今、授業中だ。どうしよう、教室にいるよねきっと、
ピコン
メール?
『今どこにいるの?俺、図書室にいるんだけど、会いたい。』
月原君。
授業中なのに、心配してくれて、
スマホを握りしめて、廊下を全力疾走した。
ガラガラ
走った勢いのまま扉を勢いよく開ける。
「月原君!!」
「百合!!!、良かったぁー」
すぐに、駆け寄ってきて抱きしめられた。
「学校来たら、教室に居ないから」
ぎゅっ、
背中に回る腕の力が強まった。
「この前ので、嫌われちゃったかと思ったっ、」
そうでないことを切望するかのように、切ない声で言われ、胸が苦しくなる。
この前って、?
看病してくれたときのことかな?


