『百合、学校にいるよね?』
『姿が見当たらないから心配。』
『今、どこにいるの?』
『着信キャンセル』
『お願い、電話出て』
『何かあったの?』
『もう、チャイムなっちゃったよ。』
『心配だから、連絡して』
いつのまにか、目には涙が溜まっていて、
全部見終わる頃には溢れ出していた。
「百合、やっぱり何かの勘違いなんじゃないかな、」
私の背中を摩りながら、声をかけてくれる彩月。
「ちゃんと話して、百合の気持ちも伝えて来な、」
優しく、私の背中を押してくれる彩月。
「ぅん、ありがとう」
「行っておいで!」
彩月に背中を押され、屋上を出た。


