もっと、月原君のこと知りたいな
そんなことを考えながら見ていると、
え?
「おー王子きたじゃーん、良かっ、」
彩月のからかうような声に何も返せなかった。
だって、今
車を出た月原君は、後部座席にいた誰かに呼び止められ
頬にキスされていたのだから。
茶髪の明るめの髪の女の人だった。
彩月も気づいて言葉を失っている。
お腹のところがモヤモヤする。
あの人が、亜美って人なのかな?
私は、遊びってこと、?
「百合?」
彩月に話しかけられて、ハッとする。
「え、あ、もう飽きられちゃったのかな?
でも、これでフラれれば、やっと、いつも通りの生活だね。」
安心させようと無理矢理、笑顔をつくってみるが、彩月の表情は悲痛に歪むだけだった。
喉が震えて、うまく話せない。
あぁ、こうして気づくんだ。


