登下校は虎太朗が居ないので車だ。 帰る時は駅まで二人と一緒に歩いて、バイトがあるとか用事があるとか理由をつけて別れている。 「じゃあね」 「ばいばーい」 手を振る。二人が改札を抜けるのを見て、踵を返した。駅の反対側に行くと、いつもの車に沼西さんが立っている。 「おかえりなさいませ」 「……ただいまです」 「どうしました?」 「いえ。今日、眼科ですよね」 後部座席に乗り込み、尋ねた。 「はい、そんな嫌そうな顔しなくても」 ミラー越しに唇を尖らせたのが見えたのだろう。すぐに戻す。