メガネの彼に溺愛されてます



ーー

今日は朝からついていない。
目の調子が悪くてコンタクトを入れられなくて、メガネで学校に来た。

メガネは曇るし、バスケのときに邪魔だから好きじゃない。

でも、柊果ちゃんが。
読んでいた本のとおりメガネ男子が好きなら悪くないかも…なんてな。


「おはよう」

と挨拶をしながら教室のドアを開ける。



「おはよ…って長山?メガネだと印象違うな」

はは、と笑いながら声をかけてきたのは舘川だ。
同じバスケ部の舘川とはクラスでも仲がいい。


「隆ってメガネだと大人っぽくなるよね。
ていうか昨日までバスケできなくてどん底って感じだったのに、なんか楽しそうじゃない?」

さすがに腐れ縁の麗奈は鋭い。
そんなに楽しそうにしていたつもりないのに。



「なにかあったんでしょ」


「そうなのか?」



ここで誤魔化してもきっとまた何度でも聞かれるので、昨日のことを話すことにした。