隆くんは私のほうをチラッと見ると。
「じゃ」と立ち去ろうとする。
でも、館川くんは「待て待て」と引き留めた。
そして隆くんになにかを耳打ちすると、バシッと叩かれる。
仲いいなあ。図書室にいると大人っぽく見えたけど、同級生と一緒の彼は年相応に見えて新鮮だ。
コロコロ変わる表情がかわいい。
隆くんは舘川くんを制止しようとしているようだけど、それを振り切ってふたりで私の前まで来た。
舘川くん、大きくて迫力がある。
「長山に聞いてたとおりかわいっすね」
「物好きだね」
かわいかったら、とっくに彼氏できてたと思う。
苦笑いでそう答えると。
でっかい壁が目の前にできる。
「舘川まじで柊果ちゃんのこと見るな。
なんか減る」
隆くんの壁で舘川くんは全く見えなくなってしまった。



