「龍泉閣が所有してる繁華街のビルがあるんだわ。そこの地下通路が、龍泉閣の地下に繋がってる」
「地下通路……っ? すごいですね、」
つまり、ビルから入れば、人目につかず龍泉閣の内部へ行けるってことか。
なんか映画みたいだけど、龍泉閣にならそういう仕掛けがあるのも頷ける。
今まで何度も真凛ちゃんの出待ちにお供したのに、1度も姿を見られなかったのは、こういうことだったんだ。
「あ、あの、朱雀院様……」
「なげーだろ、湊でいい」
「みな……?、そんな! だめです」
「はあ?」
朱雀院様のことが好きな真凛ちゃんを差し置いて、わたしが下の名前で呼ぶなんて絶対だめ。
「おれ堅苦しいの嫌いなんだわ、せめて様はとってくれよ」
「…………」
「で、あんた何を言おうとした今」
どこまでもだるそうに聞いてくる朱雀院様。
いざとなると尻込んでしまう。



