「あー……やっぱバレてる?」
「っ、」
薄く笑う唇に、不覚にも、また──。
高鳴りそうになった胸をぎゅっと押さえる。
相手は天下の京様。
からかわれてるだけなのは当たり前に理解できる。
「すばるちゃんはね、今フリーだよ。でも早めにアタックしないと取られちゃうかも〜なんたってモテるので!」
「っ、な、真凛ちゃんっ? なに言って、そんな、でたらめを……。モテたことなんか人生で一度もないよわたし」
「ふふ、この通り本人は無自覚なんだけど、SSクラスの飛鳥井 凌駕くんが、毎回自分から声を掛けるほどなんだよ〜」
今度は焦りで鼓動が早まっていく。
真凛ちゃん話盛り過ぎだよ。
飛鳥井くんはファンサマシーンなんだから誰にだってあいさつしてるし。
わたしは生まれてこの方、告白されたことなんて1回もない。
されるわけがない。
お母さんにすら愛してもらえない、出来の悪い子だから……。
「……へー、飛鳥井……ね」



