しか、ってほどじゃないよ……!
反論が飛び出かけたけど、授業が始まるまであんまり時間がないから抑えて次の言葉を待つ。
「でも“裏の支配者”って言われてるだけあって、黒い噂も多いよ。闇組織との繋がりもあるとかで……。目的のためなら手段を選ばない、多少の犠牲も厭わない。先祖代々、冷酷無慈悲な血が受け継がれてるってハナシ」
「ひい……」
「まあ、“京静日”自身がそうとは限らないかもだけど血は争えないって言うからねー」
「そんな怖い噂あるのに、出待ちしてたの強いね真凛ちゃん……」
「だって絶世のイケメンって聞いたらもうね!」
“絶世のイケメン”……。
本人を知る前なら、そんな大げさな……ってなってたと思う。
だけど実際に京様はとても綺麗で、絶世のイケメンっていう肩書にふさわしい人だった。
「でも、もう京様より気になる人できちゃったからいいんだ~」
「……えっ!?」
「これからは朱雀院様に振り向いてもらえるようにがんばる!」



