至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-


「真凛ちゃん、京様についてちょっと詳しく聞きたいんだけど……」

「え、すばるちゃんいきなりどうしたの! 興味でた?」

「うーん、ん、興味っていうか」



龍泉閣にひとりで行くにあたっての下準備っていうか。

学生証を返すだけとはいえ高貴な街のシンボルに足を踏み入れるんだから、最低限の知識を持っておくのがマナーだと思って。



「知っての通り京様は、日本財政界の裏の支配者って言われてる京グループの長男で――」

「へ、そうなのっ?」


「すばるちゃん……あなたはこの1年とちょっとの間、女子たちの中でいつもあれだけ盛り上がってる京様にまつわる噂話の、いったい何を聞いてたの?」

「うえ? いやあ、盛り上がってるな~とは思ってたけど、どうせわたしには縁のない人の話だから、右から左に……」


「おう……。ま、そりゃあそうだよね。すばるちゃんはお昼休みは食べ物のことしか考えてないもんね」