至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-






「朱雀院様にお礼言いたかったなー。廊下、鈴木くんとやらを探す女子たちでごった返してて大変だったよお」


5限目が始まるまで、真凛ちゃんの口からおふた方の名前が出るたびにはらはらしていた。


まさか、真凛ちゃんが朱雀院様を探しにいってるうちに、わたしが本人と会ってるなんて思わないよね。

しかも今まで一目見ようと出待ちを続けてた京様が、噂の鈴木くんだなんて、なおさら……。

真凛ちゃんには本当のことを言いたいとは思いつつ、口止めとしてラーメンを食べさせてもらった手前できっこない。


謎のイケメン生徒・鈴木くん問題は、時間が経てばみんなの興味も薄れていくんだろうけど、それまで隠し通さなくちゃいけないっていう使命。

ひとりで背負うのにはあまりにも重すぎる。


もう関わらないってわかっていれば、まだ気は楽なんだけどなあ……。



――『今夜ひとりで、龍泉閣にこれを持って来な』


京様は何を思ってあんなことを言ったのか。