「ていうか、ずいぶん安上がりな望みだったわけだけど。秘密を守るって、お前ちゃんと約束できる?」


「っ、それは大丈夫です! 正体をバラしても、わたしに何か余程のメリットがあるわけじゃないし……むしろ制裁とか怖い、し」


「はは、賢い賢い。そうだね、俺に逆らうリスクのほうが遥かに大きい」



笑顔ひとつにも圧がある。

見た目にそぐわず、よく喋る明るい人のように感じるけど、どんな表情をしていても絶対にどこか冷ややかさがある。

仮面を見ているよう、な。



「あの……京様は、今日はどうして学校に? 何かご用事でもあったんですか?」

「その質問に答える前に俺もひとつ聞きたい」


「え? はい、」

「お前は、なんでこの学校にいるの?」