今思えば、かなり早まった。

京様は望みを一つだけ聞いてくれるって言った。


内容についての条件提示もなかったから、京様の権力と財力の手が届く範囲内であれば本当に“なんでも”叶えてもらえたんだと思う。


──例えば。


“SSクラスで、現在フリーな男の子を誰が紹介してください”……とか。


うう〜っ、どうして、あの場で思いつかなかったんだろう!


わたしなんかがSSクラスの男の子に見初めてもらえるなんてもちろん思ってないけど、

京様のご紹介とあらば、少しは贔屓にしてもらえるかもしれないし。


恋愛対象に見られなくても──最悪下僕としてでも、お近づきになるツテができるかもしれないし。


なんにせよ、SSクラスと接触できるかもしれない、またとないチャンスだったのに……っ。