「尋ねてやるのこれが最後だから、ちゃんと答えようね。お前の望みはなに?」 「えー……と。そんな急に言われても、すぐには考えつかない、です」 「考えるんじゃなくて、本能に従って。今1番何を欲してる?」 本、能……。 それは優しく誘い出すように。 脳内に直接、びりびり響いて。 「食堂のランチを、お腹いっぱい食べてみたい……」 考えるより感じるとは、こういうことかもしれないと、無意識に飛び出た己の声を聞いたあとで思った。