ごもっともなハナシではある。
だけど、京様に望みを聞いてもらうなんて恐れ多いこと……。
「望みを言わないなら、俺とっておきの口封じの手段をとるよ」
「とっておきの口封じ……? 具体的にどう、やるんですか……?」
「はは、そこ興味持っちゃうのか。そうだな、お前が相手ならとびっきり優しくしてあげてもいいね。その代わり、泣いても絶対やめてあげないけど」
優しくされて、泣く……?
まるで矛盾してる話に首を傾げると、上のほうから「静日」と。たしなめるような声が降ってきた。
「女で遊ぶな。手っ取り早く済ませろ」
「あれ残念。けっこう本気で言ったのわかんなかった?」
相変わらずの楽しげな表情からして、冗談だっていうのはわたしでも理解できる。
どうやら京様は、気高い雰囲気にそぐわず悪ふざけがお好きらしい。