「17秒」

「……?」

「俺の目を、こんなに長い間見続けられる奴って滅多にいないんだけど……お前頑張るね?」



さらに距離を詰められて、さすがにたじろいだ。

頑張ってるつもりはない。
逸らそうにも逸らせないだけ。



「あー、レンズ越しだからかな。ま、どうでもいいや」



初めから返答は求めてなかったみたいで、あっさり本題に戻る。



「で。望みは」

「べ……つに、言いません。そんなことしてもらわなくても、突如現れた“鈴木くん”の正体が京様だって誰にも言わないです」


「その条件だと、俺が一日中お前を見張ってなくちゃいけないね」

「ん、え」

「出会って間もない人間の言葉。信用するに足るとでも?」