「そういう事情も重なって、ふたりはなかなか会えなくなってしまったんだよ」


「っ、そんな、」


「そしたら静日くんは、家から僕に手紙を送ってきたんだ。“16時から19の間は見張りがいないから、この電話番号にかけて” そう書かれた紙を渡してくれっていう、依頼の手紙だった」


「わあ、すごい……賢いですね」



くす、と先生が笑う。



「そこから、ふたりはずっと電話での交流が続いてるんだ。実はその子も、静日くんと同じ皇城学園に来る予定だったんだけど……体の具合が悪くて、入学を辞退してしまってね」

「え、入学を辞退……」