だけどもう、そんな漠然とした不安にかられることもない。
今の静日は、おれのよく知っている静日だ。
「そうだ湊。俺あしたから龍泉閣こねーから幹部に上手く伝えといて」
「──は?」
予想外の言葉に、うわずった声がでた。
「それ70階のルームキー。二度と使うことないし、テキトウに部屋片してといてくんない」
ひらり、静日の手から離れたカードが地面に落ちる。
「おい来ないってどういうことだよ」
「そのままの意味でしょ。日本語理解できねーの?」
冷えきった目にぞくりとする。
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