「友達の家を泊まり歩いて親御さんに迷惑かけてるんじゃないか、お前の躾が悪いからすばるが勝手なことするんだって、お父さんからガミガミ、毎日そんなことばっかり聞かされて」
「………」
「学校から連絡はないから、ちゃんと登校してるんだろうし、ちょっとの家出なら思春期によくあることだからって、頑張って説得してたけど……お母さんもう限界だよ!」
──あの夏休みと同じ。
心が乾いて……
「どうして、すばるのことでこんな悩まなくちゃいけないの!?」
──涙すら出てこない。
わたしだけを見て、こんなに怒ってくれるのは何年ぶりだろう。
やっと、お母さんの視界にちゃんと入れた。
でも、ぜんぜん嬉しくない。



