とんでもなく似合うけど……。

わたしが学校に行っているあいだ、静日くんが何をしているのかは未だに不明。



「じゃあ、行ってきます」

「ん、気をつけなよ。俺ももう少ししたら出る。夜はたぶん遅いから先に寝てな」

「……、わかった。静日くんもきをつけてね」



にこっと笑いかけて70階の部屋をあとにした。


……今日も、夜帰ってこないんだ……。

寂しい、な……。


誰にも言ったことがないけど、今日は、わたしの誕生日だから……。


……一緒にいたかったな。

なんて贅沢は、すぐに呑み込む。


生まれてこのかた誕生日を祝ってもらったことがないわたしにとって、
今日はただの平日と変わらない。


それに、静日くんはいつもこんな感じだからしょうがない。


龍泉閣に来てもうすぐ1ヶ月になるとはいえ、静日くんと一緒に過ごせる日は、週に3日くらい。


京家の息子としてのシゴト、龍泉閣関連のシゴト、なにやらいっぱい忙しいみたい。


忙しいのに、帰ってきたら一緒に食べてくれて、ときどき課題を見てくれたり、キスの練習をしてくれたり。


しかも、わたしが眠ったあとはひとりで勉強までしてるし。