「てゆーか見てよ、このお弁当。食堂のランチすら食べれないほど貧乏なのかな」



くすくす、嘲笑が痛く突き刺さる。



「いやすばるちゃんは関係ないから。出待ちはあたしがいつも無理やり誘ってるだけ。あと人のお弁当馬鹿にするほうが、うちの学校の品位落としてると思うんだけど」



冷静な切り込みに相手が口をつぐんだのと──。



「さっきからうるせぇ、なに騒いでんだ」



いやに重みのある声が、場の空気を裂いたのは同時。


声の主を視界に捉えた瞬間、Sクラスの子たちの顔色が一瞬にして変わった。不気味なくらい真っ青に。


震える唇から「朱雀院様……」とかすかな声が零れるのを聞いた。