「べつに。拝めたらラッキーくらいな気持ちで行ってるだけですけど」
「そんな軽い気持ちで行動されるのが一番迷惑なの」
「はあ? 出待ちしてるのはそっちも一緒じゃないの? てか、“迷惑なの”ってなに? Sクラスなのに京様の顔も見たことないカワイソーな人に言われたくないし」
この場面で一睨み利かせられる真凛ちゃん、強い……!
でも今相手を煽ってもいいことないような……。
と思った矢先に、やっぱり気に入らなかったらしいSクラスのひとりが、ガンッ! とテーブルの脚を蹴った。
「あんたみたいなのが龍泉閣の周りうろうろしてると京様たちの品位まで落ちんの! 少しは考えろよ!!」
それを華麗に無視してランチにお箸を伸ばした真凛ちゃん。
「さっきから黙ってるけどあんたも何とか言いなよ。いっつも一緒に出待ちしてんの知ってんだからね!」
怒りを抑えきれなくなった彼女たちの目が今度はわたしに流れて、びくうっと心臓が縮んだ。