「ダイエットとかする必要ないって。もともと細いんだし」

「いやあ、服で隠れてる部分とか実はやばくて」

「んもー、あたしはすばるちゃんが幸せそうにご飯食べるのを見るのが好きなのにな」



テキトウに笑って会話を終わらせる。


女の子用の小さいお弁当箱に収まる程度のふりかけご飯なんて、正直あと1時間も持ちそうにない。

でもしょうがないんだ。


妹のみやびのため。

お母さんのため。

ううん違う――わたしが、あの家で居場所を失くさないようにするため。



「うわ、いた! この子たちだよ。Aクラスの分際で毎回、京様と朱雀院様の出待ちしてるの」



突然背後から声がしたかと思えば、すぐさまテーブルの周りを取り囲まれた。

緑色のネクタイでSクラスの生徒だってわかる。



「ねえ。純粋な疑問なんだけど、どういうつもりで出待ちなんてしてるの? まさかAクラスが相手にしてもらえるとでも思ってる?」


威圧的な瞳に怯むことなく、真凛ちゃんが眉を寄せた。