うう……。
昨日のお昼はローストビーフで。
夜は高級な、イタリアン風中華料理で。
朝も、旅館で出てくるような豪華なお膳だったし……。
こんなに一度に贅沢をしていいのかな……。
「あ、宮名さんだ。はろ〜」
真剣に考えていたところに、のんびりとした声がかかる。
この声が、口調、セリフ。
振り向かなくたって誰だかわかる。
「あ、飛鳥井くん、どうも……っ」
「今日はお弁当ないの?」
「はい、そうなんです。だからどうしようかなって……」
「僕があげた引換券使ったらどうかな? それとも今日は海鮮の気分じゃない……?」
眉毛を下げてどこか寂しげに尋ねられると、
「そんなことないです、ものすごく海鮮の気分です!」



