そう、真凛ちゃんがその子達に言い返したときだった。



「──へえ、それはウレシーな」



最後から、突然男の人の声。

反射的に振り向けば、そこには。



「っ、朱雀院様……っ?」


わたしたちどころか、教室にいたみんなも仰け反る勢いでびっくりしていた。


黒のネクタイ。

くすみがかったピンクアッシュの髪。
派手に遊ばせた……毛先。


間違いなく、朱雀院湊様、だ。


真凛ちゃんは両手で口をおおって、もう涙目になっちゃってる。



「朱雀院様、どうしてここに……」

「ウン? 偶然通りかかったら、おれの名前が聞こえてきたんでちょっと覗いてみたんだわ」


偶然……。

SSクラスの人が偶然ここを通るなんてことがあるのかな。


もしかして、この前わたしが言ったことを覚えててくれて……。