「噂だとね、撃った人も京グループの人間らしいよ」




――……え?

鼓動が少しずつ早くなっていく。




「なにそれっ、内部同士の抗争ってこと? こわ~っ」


「いやでも、京グループは昔からそういうのあるっぽいよ。人の血が通ってないから、仲間でも関係なく平気で撃っちゃうんだよ」


「似たようなことお母さんも言ってた。あの家は昔から黒い噂が絶えないって」



「海外のマフィアとかとも裏で取引があるらしいしね。海に沈められた人も数知れず……とか」


「ええっ、そんなことしたら捕まるじゃん!」


「それを揉み消す力があるのが京家なんだって……!」


「街の最大権力者として憧れの的であることには変わらないけど、近づきたくはないよね、いつ消されるかもわかんないし」




嘘か本当はわからない噂話をしていた彼女たちの目が、ふと、こちらに流れてくる。