えっ、ええ……!
寝てたわけじゃないんだけど……っ。
とりあえずへらっと笑っておく。
「なんか、銃声が聞こえたって通報があったらしいよ」
「えっ!? 銃声はやばくないっ!?」
その言葉に、寝不足だったわたしの頭もようやく覚めた。
「あたしが聞いた話じゃ、海岸近くの倉庫で一人撃たれて重体だって……」
「うちもその話聞いた! 撃たれた人、京グループの傘下の会社の関係者だって」
――ドク、と心臓が冷たく反応した。
京グループの傘下ってことは、京様の両親が経営してる会社の人ってこと……?
昨日の京様の言葉を思い出す。
急用ができたって、珍しく慌てた様子で部屋を出て行ってた……。